調布市における食物アレルギー事故再発防止の取り組み

平成24年12月20日、市内小学校で、食物アレルギーによる児童の死亡事故が発生しました。調布市は平成25年1月10日、「調布市立学校児童死亡事故検証委員会」を立ち上げ、委員会は3月に検証結果をまとめました。

この検証結果を受け、4月には、弁護士・医師・学識経験者・食物アレルギーのある子どもの保護者など、全19人で構成された「食物アレルギー事故再発防止委員会」が設置され、委員会は、事故防止・緊急対応・給食指導の3つの検討部会で6回の協議を行い、7月、「調布市食物アレルギー事故再発防止検討結果報告書」を提出しました。

報告書では、①事故防止、②緊急対応、③給食指導、④研修体制、⑤今後の進行管理の5点から、今後の市及び教育委員会の取るべき対策について述べています。

①事故防止では、献立に関する基本的な考え方、給食に関する各過程の作業手順等の単純化・共通化・見える化を図ること、給食室の改善など多岐にわたって対策がまとめられています。②緊急対応では、食物アレルギーは症状が急変し命に関わる場合があること、学校での緊急時役割分担、シミュレーションの重要性などが示されています。

調布市と教育委員会では必要な対策の実現に向けて、給食室の現地調査、教職員を対象とした研修を始めるとともに、8月、東京慈恵会医科大学附属第三病院と「アナフィラキシー対応ホットラインに関する覚書」を締結しました。これは、調布市及び狛江市の児童生徒がアレルギー症状を発症した時、専用PHS電話で連絡を取り合い、緊急搬送の受け入れ・相談を素早く行う仕組みです。この覚書により、エピペンのシミュレーション研修や、栄養士・調理師向けの研修なども行われています。

調布市議会は、事故防止に関する市町村の取り組みに対し、国や東京都が財政支援などの措置を講じるよう求める意見書を、全会一致で採決しました。